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PMをマネジメントする

PMをマネジメントするのは難しい。PMの育成や評価をどうすべきか悩んでいるマネージャーや部門長は多いのではないか。どんな職種でも同じだが「成長機会がない」「正しく評価されていない」と感じれば優秀な人材は会社を去ってしまう。

下記の記事では、仕事の任せ方、育成機会の作り方、評価の仕方の3つを解説している。要点を意訳して紹介する。

Managing and Developing Product Managers - The Black Box of Product Management

1.起業家と投資家の関係をモデルにする

投資家は起業家のビジョンに対して投資する。 マネージャーとプロダクトマネージャーの関係も同様に考えると良い。あなたの会社の事業エリアに情熱を持つPMを採用して、あとは任せる。投資家は投資先の企業の業務に干渉したりしない。

PMには自律性とオーナーシップを持たせなければならない。「賢い人間を雇っておいてあれこれ指示を出すことほど馬鹿げたことはない」とはスティーブ・ジョブズの言葉だ。PM自身が必死になって自分の問題を解決するように委任しなければならない。マネージャーがPMの代わりに問題解決したり意思決定してはいけない。

これはPMを放置せよということではない。コーチングやフィードバックはすべきだ。ただ途中であれこれ口出しするのでなく結果を見守ろう。PMはその出自によってそれぞれ得意領域があり、弱点もある。マネージャーはPMが盲点に気がつくようにサポートするのが良いだろう。

PMをマネージャーであるあなた自身よりも成功させるのがあなたの役割だ。ボスよりも出世する、ということが良くあるのがプロダクトマネジメントという職業だ。多様なバックグラウンドの部下達から学ぶことも多いだろう。

2.PMは顧客体験全体の設計を通じて成長する

ほとんどの職種ではスキルを一つずつ身につけていく。例えばエンジニア1年生はテストコードを書くことから始めるだろうし、デザイナー1年生なら先輩の指示のもとに制作するところから始めるだろう。特定のスキルを身に着けてから次のスキルを身につけ、キャリアの階段を登っていく。

PMの場合は特定のスキルをマスターしてから次に進む、というわけではない。バックログの管理は得意だが顧客への提供価値の定義はやったことがない、とか、ビジネスモデルの設計は得意でもオペレーションやサポートについてはまるでわからない、ということではPMとして価値提供できない。PMはエンドツーエンドの顧客体験を設計できてこそ、価値提供できるのだ。 プロダクト開発だけでなく、マーケティングやセールス、持続可能なビジネスモデルの構築やオペレーションの実行、そしてカスタマーサポートの提供に至る顧客体験全体をマネジメントできなければならない。

こうした顧客体験全体のマネジメントの難易度はプロジェクトによって異なる。次の6つの軸でプロジェクトを評価することで難易度の判断できる。

  • 顧客へのインパクト
  • 収支の大きさ
  • 自社にとっての戦略的重要性(ミッションクリティカル度)
  • オペレーションの複雑性(自社の既存のオペレーションとフィットするか)
  • 自社にとって新しい事業ドメインか
  • リソースの潤沢度合い

それぞれ0〜1.0でスコアリングしてレーダーチャートにし、描かれたエリアの大きさでプロジェクトの難易度を見積もる。

PMのスキルレベルに合わせた難易度のプロジェクトをアサインしよう。

3.PMを4つの軸で評価する

PMの評価は難しい。コードやデザイン、あるいは販売量や顧客サポート件数などの目に見える成果物がないからだ。そこで私は4つの評価軸でPMを評価している。

  • プロダクトのパフォーマンス
  • 関係者との連携
  • 意思決定
  • 戦略的思考

プロダクトのパフォーマンスでPMの成果を計れるのが理想だが実際には難しい。プロダクトをローンチした後に結果が出るまでに時間を要する場合もあるし、チームの成果とPMの成果を区別するのが難しい。問題があるプロダクトを引き継ぐ場合もある。

PMの持つ影響力は周囲の信頼の総和といって良い。チームはそのPMと働くことを楽しんでいるか、そのPMを尊敬しているか、付加価値を提供してくれていると感じているか。開発チームや、セールス・マーケティングの担当者からフィードバックをもらう。

プロダクト開発プロジェクトには多くのトレードオフが存在し、PMは常に意思決定を迫られる。キーとなった意思決定について一緒に振り返りをする。

自社戦略の骨子の理解、外部環境の理解と今後の見通しについての見解、社内の重要施策の理解、などからPMがどれだけ俯瞰して全体図を描けているか確認する。

要約すると、PMは実践を通して成長する、適度な難易度のプロジェクトを選んで後は任せるべき、PMの成果はプロダクトだけでは計りづらくプロセスにも注目する必要がある、といったところだろうか。

マネージャーはメンバーの評価に対して説明責任がある。成果の大小を単純に測りにくいPMだからこそ、評価基準を明確に定めてコンセンサスを得ておきたい。

2019-07-22
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