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「プロダクトマネージャーはmini-CEO」という表現が生む誤解

プロダクトマネージャーは製品のmini CEOであるとよく言われる。これは時に誤解を生む表現だ。

「大きな権限を持ち社員はその意思決定に従う」
CEOと聞いてイメージするのはそんな存在ではないだろうか。では製品のmini-CEOであるPMはどうか。 CEOのように権限を持って開発チームを動かしていくのがPMなのだろうか。

そのPM像は間違っている、というのがMatt LeMay氏がThe Past and Future of Product Managementで主張する内容だ。(以下抜粋して意訳)

PMとしてキャリアをスタートした頃は、自分がロードマップのオーナーだということにすごくわくわくしていた。アイデアに溢れたビジョナリーとして皆に何を作るべきか指示し、会社をより良い方向に導くのだ。私は自分が能力のある重要人物で、まるでスティーブ・ジョブズにでもなったかのように感じていた。「次は何をすればいい?」と指示を仰がれるのは気分が良かった。唯一自分だけが会社の真のゴールを理解しており、チームを動かして素晴らしいアイデアを実現できる存在だ、と。

これは所謂「PMは製品のmini-CEOである」という考え方を安易に理解したPM像で、今は全く異なる考え方をしている。
 人に指示を出すのがプロダクトマネジメントではない。異なる役割の人たちを繋ぎ合わせ相互理解を促すのがプロダクトマネジメントなのだ。

「次は何をすればいい?」と聞かれるということは、実はPMとしてうまく動けていないことを意味する。

エンジニアについて多くの人が誤解していることがある。エンジニアがビジネスやユーザーに関する話題に煩わされることなく実装に集中できるようにすべきだ、彼らは一日中ヘッドフォンをしてコードを書いていたいのだ、というものだ。そんなことはない。目的なんて知らなくてもいい、ただ言われたとおりに実行するほうが好きだ、なんていう人間はいない。何のために作るのかという目的、Whyが明確でないと開発プロジェクトのスコープを決められないし、優先順位がつけられない。技術的な意思決定をすることも困難だ。Whyを隠そうとするPMや経営陣は、実は彼ら自身がWhyを定義できていないのだ。

最終的に私はPMが「プロダクトのリーダーである」と考えるのを止めた。そのかわりに、会社のゴールを明確にして社内の誰もが知ることができるよう透明性を保つことに最大限尽くすことにした。仮に自分がいなかったとしてもチームが優先順位がつけられる状態を目指した。その結果、自分が重要人物であるという感覚は薄くなったがチームの生産性は劇的に改善した。

担当プロダクトに対してCEOと同等のコミットメントを持つ、という意味ではmini-CEOという表現は妥当だろう。しかし「チームに対して指示命令する役割だ」と解釈するのは間違いだ。(そうしたCEO像がそもそも現代的ではないかもしれないが)

WhyとWhatを定義するのがプロダクトマネージャーの役割だとよく言われるが、あなたはPMとしてWhyをチームに十分伝えられているだろうか。KPIにヒットするから、ユーザーが求めているから、といったレベルでは不十分だ。会社が目指すゴールから逆算し、他に選択肢があるなかでなぜ今この機能を開発するのか、チームが理解できるようWhyを説明すべきだ。

自分がPMとしてどれくらい深くWhyを伝えられているか、改めて振り返ってみてはどうだろう。あなたのチームはあなたがいなくても優先順位を判断できるだろうか。

2019-07-15
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